看護学部

Faculty of Nursing

ニュース一覧へ戻る

看護学部ニュース詳細

更新日:2020年12月15日

研究紹介

【看護学部】研究への扉(第2回)  ~青年期のリプロダクティブ・ヘルス保持増進のための教育介入~

  看護学部教員の研究紹介「研究への扉」 第2回です。

今回は、母性看護学領域の岸田泰子先生からご自身の研究についてご紹介いただきます

 

Q1:研究のテーマを教えて下さい。

 「青年期のリプロダクティブ・ヘルス保持増進のための教育介入」を行い、その効果を検証しようとしています。

 

Q2:リプロダクティブ・ヘルスとはどのようなものですか?

 Reproductive healthは「性と生殖に関する健康」という意味ですが、看護や保健・医療の世界では市民権を得ていてカタカナ表記で用いられています。もう少しわかりやすく言うと、「すべてのカップルが安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力をもち、子どもを産むか産まないか、いつ産むか、何人産むかを決める自由をもつ」というような意味をもった言葉です。

 

 

 Q3:何故、この研究に取り組もうと思ったのでしょうか?

 私は助産師で、出産にかかわる仕事をしてきました。少子化が進行し、不妊カップルが増えている現代で、子どもを欲しいと望むカップルが希望する時期に子どもを産み育てることができる、そんな社会が理想です。当たり前のことのようですが、心身ともにその準備が整っていないと叶わないことです。若いうちからリプロダクティブ・ヘルスを意識した生活様式を整えてほしいと思い、その支援が必要と考えました。実際に女子大学生の4人に1人は月経異常があるにも関わらず、まったく放置、または異常であることに気づいていない人も多くいます。将来子どもを産む、産まないにかかわらず、月経は女性にとって健康のバロメーターでもあります。そのことを意識してセルフケアできることが重要だと思います。

 

 

Q4:どんな人を対象にした研究ですか?

 現在は女子大学生を対象としています。

 

 

Q5:どんな方法で研究を行っているのですか? 

 私の専門である母性看護学の中で、看護学部の学生にはリプロダクティブ・ヘルスについて教育していますが、看護学部以外の学生たちに教育できないものかと思っていました。このたび大学内の教育改革特別事業への申請を行い、採択され、教養教育の中で実現することができました。

この取り組みは研究というより、教育実践効果の検証というほうがよいかもしれません。教養教育の中の科目「教養総合ワークショップA」で、リプロダクティブ・ヘルスに関する知識やセルフケア行動を高めるような健康教育プログラムを組み入れ、この教育効果を検証しようとしています。この科目は看護学部だけでなく他学部の先生方と共同で授業を行っています。

 

 

Q6:授業(教育介入)の内容について教えてください。

 女性のからだのメカニズム、月経異常について、妊娠と不妊、避妊について、人工妊娠中絶について、マタニティサイクル、女性のメンタルヘルス、女性特有の疾患、家族形成やライフコース、青年期女性の食事バランス、胎児期の音楽の影響など、です。

 

 

Q7:今後はどのようなことに取り組んでいきたいとお考えですか? 

 まずは多くの学生に受講してもらい、リプロダクティブ・ヘルスの重要性を知ってほしいと思いますが、女性だけでなく、男性にもアプローチできる場があればいいなと思っています。

 

 

Q8:最後に受験生へメッセージをお願いします。

 看護を目指す皆さん自身の健康、リプロダクティブ・ヘルスを保持増進できるような教育活動を行っています。

是非受講していただければと思います。