vol.65 宮地さつき 30回生
1.今の自分(自己紹介・職業紹介)
大学で准教授として、子ども家庭福祉、特に教育福祉、学校福祉といった領域について、社会福祉士や教員を目指す学生たちと日々学んでいます。
大学に勤める前は、福島県内でスクールソーシャルワーカーとして活動していました。スクールソーシャルワーカーとは、学校・教育現場において学習権をはじめとする子どもたちの様々な権利を保障するために、家庭・学校・地域を繋ぎ、社会資源を発掘・開発する専門職のことをいいます。当時は、全国でほぼ皆無の正規職員として実践を積み重ねる中で、たくさんの子どもたちやそのご家族、また教職員や地域の方々と共に過ごした経験は私の宝物です。教科書では学ぶことができないリアルな現状や彼らの想いを、将来、様々な現場で子どもたちと関わるであろう後継の学生たちに伝えていくことができれば…との想いで10年ほど前に研究職へ転職し、現在に至っています。
大学では講義はもちろんのこと、演習や課外活動などを通して、学生自身が主体的に考え、悩みながら、多職種連携で課題解決の糸口を模索する教育活動に力を入れています。
2.共立女子第二中高時代の感想、思い出、学校の良さや受験生に伝えたいこと。
共立時代の思い出はたくさんあり、ここに書ききれないのですが、その中で特に印象的ないくつかのエピソードをお伝えしたいと思います。
共立の思い出と言ってまず思い出すのは、父と過ごした日々です。というのも実は、父も長い間共立女子第二で数学の教員としてお世話になっていました。思春期の娘が職場にいるということは、父としてはあまり居心地の良いものではなかったと思いますが、幼いころから体育祭や夏休みなどによく遊びに来ていたので、共立第二で過ごすことが当然のように感じていました。無事に入学後、たまに一緒に登下校していた日々を今でも懐かしく思います。そんな父が2023年4月、10年以上の闘病生活を経て亡くなりました。弔問にはたくさんの先生方や遠方にもかかわらずOGの先輩方が駆けつけてくださり、私は改めて共立第二の温かさを感じるとともに、親子で共立にお世話になれたことを誇りに思っています。
また、中高6年間所属していた、コーラス部も思い出の塊です。高校で部長を務めさせて頂いた時には、部員が70名ほどの大所帯の部活でした。同期や先輩・後輩とともに笑い、泣き、悩み、喜び合った日々は、今の私の原点にもなっています。当時の仲間とは卒業後20年以上経った今でも定期的に会うほど、一生の友人を得ることができました。
また、このような仲間は部活内にとどまりません。高校3年生の時の予餞会では、私たち30回生の思い出のミュージカル「ライオン・キング」を自分たちの手で一から作って上演する機会を得ました。なぜそのような流れになったのか、今となってはまったく覚えていませんが、各自の受験が終わり次第、練習に合流するという部活動並みの気合いの入れようでした。このように30回生はパワフルなメンバーが多く、晴山校長先生(当時の担任)を始め多くの先生方にとっては手を焼く学年だったとは思いましたが、温かく見守ってくださる先生方がいたからこそ、私たちはのびのびと学生生活を過ごすことができたのだと感謝しています。
大好きな友人と、尊敬する先生方と出逢えた共立は、私にとって母校であるとともに「第二の我が家」ともいえる場所で、今もなお、元気の源になっています。
3.受験生へのメッセージ
この自然豊かな八王子キャンパスだからこそ経験できること、出逢える仲間がいます。ぜひこの学び舎で様々なことにチャレンジしてください。そして、たくさんの仲間と切磋琢磨してください。「良い子」でいる必要はありません。楽しいこと、嬉しいこと、ワクワクすること、悔しいこと、悲しいこと、辛いこと、たくさん経験してください。成功も失敗も、すべて皆さんの糧になります。そしてそのすべてを温かく見守ってくれる教職員が、共立にはいらっしゃいます。臆することなく、あなたの人生を謳歌してください。
4.この学校の良さを、ひと言で表現すると…
主体性を重んじる校風
生徒の可能性を信じ、伸ばしてくれる教職員
切磋琢磨できる仲間
5.二高卒業後のプロフィール
1983年5月生まれ 東京都八王子市出身
2002年3月 共立女子第二高校 卒業
2002年4月 文教大学人間科学部臨床心理学科 入学(2006年3月卒業)
2006年4月 福島大学大学院教育学研究科学校臨床心理専攻教育福祉臨床領域 入学(2008年3月修了)
2008年6月 福島県内でスクールソーシャルワーカー(非常勤)として勤務開始
2010年10月 福島県本宮市 入職(スクールソーシャルワーカー職)(2015年3月退職)
2015年4月 法政大学現代福祉学部 助教(2018年3月退職)
2018年4月 文教大学人間科学部 専任講師
2024年4月 同 准教授(現在に至る)