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Vol.47 岡林 亜沙美 33回生

Vol.47 岡林 亜沙美 33回生

1.今の自分(自己紹介・職業紹介)

フランス、欧州各国に於いてクラリネット奏者、講師として活動をしています。

現主要活動は、パリ管弦楽団本拠地Philharmonie de Paris (フィルハーモニー・ド・パリ)から生まれたDémos (デモス)という、フランスの子供たちの為のオーケストラ教育事業です。

当事業は仏格差社会の闇に埋もれる子供たちを音楽を通して社会的にサポート、育成しようと生まれた音楽教育社会事業で、現在仏国内に幅広く分布しています。7〜11歳の子供を対象にレッスンを週二回、放課後や校外活動として三年間行い、各年度末には仏国内中でコンサートを催し、三年明けた後は卒業生の半数が音楽院へ進学しています。

各オーケストラは総勢80〜100人規模となり、日々のレッスン内容や子供たちの進度責任は我々各楽器のプロ演奏家や音楽院教授によって主導されます。現場では楽器指導は勿論、ダンス、歌、即興レッスンなど様々なことが行われています。私自身、楽器を演奏することとはどういうことか?想像力、創造力は人格形成にどう役立つのか?音楽教育とは?の問いに日々向き合っています。

社会事業の面を持つデモスでは、愛情に恵まれない家庭環境や学校での人間関係に悩む子供たちへ健やかなメンタル、コミュニケーション能力を助長するために、地域で働くソーシャルワーカーと共に心のケアもしています。子供達にとって、デモスが自身の存在価値を見出す場となるよう、更に彼らが未来の良き人材となるよう尽力する日々は、私にとって大きな喜びです。

近年この事業は国際的にも注目されるようになり、2017年冬には当事業題材の映画La Mélodie (邦題 オーケストラ・クラス)が放映され第74回ヴェネツィア国際映画祭、特別招待作品に選出。昨年秋には第31回高松殿下記念文化賞(世界文化賞)の若手芸術家奨励制度に表彰されました。

私は現在2つのオケ講師として日々デモスに追われていますが、パリを拠点としプロオーケストラ、室内楽、ソロリサイタル、現代音楽の世界初演の活動もしています。特に室内楽では欧州各国へも赴き、各国の空気や人に触れる機会に感謝しています。今後は欧州にとどまらず日本でも活動の場を持てるように計画中です。

  • 現在の職場、フィルハーモニー・ド・パリにて

  • 年度末にはこのフィルハーモニー大ホールにてコンサートが行われます

  • レッスン風景1

  • レッスン風景2

  • 2019年5月ヴェルサイユ宮殿、ロワイヤル オペラ座にて

  • 2019年5月ヴェルサイユ宮殿、ロワイヤル オペラ座にて

2.共立女子第二中高時代の思い出、学校の良さや受験生に伝えたいこと

在校中に六年間在籍した吹奏楽部の思い出は数えきれません。当時の汗と涙、喜びでいっぱいの時間は本当にかけがえのない時間でした。私はとにかくクラリネットを吹くことが大好きで…。今でも脳裏に浮かぶ朝昼の自主練習の光景、部活のみんなとの合奏、アンサンブルの楽しさ、コンクールに向けて真っ黒になるまで書き込まれた楽譜、夜遅くまで反省会をした合宿、大講堂での定期演奏会、先輩方の引退で覚えた淋しさと感謝と不安…。あの時の私は部活動に全てを没頭し、本当の青春を過ごしたように思います。

今の仕事をしていると、音楽集団授業での指導方法は、まさしくあの時の先生、外部指導員の先生方、先輩方からのご指導、自分たちで苦しみながら生み出した解決策が糧となっていると確信します。

学校行事や授業での思い出もたくさんあります。当時は当然と思っていましたが、体育祭や白亜祭では生徒たちが主導し大変自由に企画発案が可能だったことは、今思えばいかに生き生き伸び伸びとしていた校風だったことか…。考える力、実現させるパワーを養ってもらえたと感じます。

授業の場でも、当時では先進的なPCを用いた授業、和裁や礼法の授業、学校の周りを歩いて直に自然に触れた理科の授業、芸術鑑賞会など…様々な方面にアンテナが張られた、貴重なことばかりを経験させて頂きました。海外に住んでいるいま、日本人としての作法や美的意識はここで養われ、今の私のアイデンティティーの一部となっています。

先生方は、授業後分からないことがあっても廊下や職員室で丁寧に解説してくださる先生や、専門知識に長けていらっしゃる学者肌の先生、まるでお友達のように気さくに接してくださる先生方などいらっしゃいました。先生方みなさん生徒たちに一生懸命になってくださっていて、共立二校には先生と生徒間には全く牽制の存在しない自然で明るい距離感があったと思います。

最後に特筆すべきはこのキャンパスです。自然に囲まれた立地で、四季折々の変化を身体中で感じ、人間は自然の一部でその連鎖の中で生きることがどれほど美しいことなのか、自然の恩恵を享受し感謝した在校時代でもありました。当時は思春期真っ只中。いろんなことに悩むことがあっても、いつもこの自然に癒され元気をもらっていたように思います。この感性を養ってくれた環境と、当時関わった全ての人と麗しい時間に感謝しています。

3.受験生へのメッセージ

私の場合、音楽家を続けるには非常に大きな葛藤と決意が必要でした。しかしそれと同時になにか大きな人生の流れにのまれてここまできたようにも感じます。今もこれからも大きな目標があって、一生懸命それを目指すことはとても美しいことだと思います。時には先が見えなくても、後から、あぁ、今この瞬間のためにこれまで頑張ってきていたんだな。と答え合わせできる時もあります。全力で勉強して、真面目に悩んで、目一杯遊んで、心から家族や友達、先生方に感謝してください。共立第二で、そんな時間を過ごしてほしいと思います。

4.この学校の良さを、ひと言で表現すると…

豊麗

5.プロフィール

2005年3月 共立女子第二高等学校卒業
2007年3月 桐朋学園芸術短期大学卒業
2013年9月 渡仏
2017年6月 パリ・エコール・ノルマル音楽院
最高課程、コンセルティスト高等課程卒業及び仏国家演奏家資格修得
2017年10月 Projet Démos クラリネット講師
Philharmonie de Paris-Cité de la Musique
フランス歴史建造物サル・コルトーにてソロリサイタル開催、在独ベルリン日本大使館にて室内楽リサイタル開催、新欧州室内管弦楽団研修生修了。現在フリーランスアーティストととしてパリを拠点に活動中。

Projet Démos (仏語)
https://demos.philharmoniedeparis.fr/accueil-national.aspx?_lg=fr-FR
新欧州室内管弦楽団 (YouTube)
https://www.youtube.com/user/OrchestreOCNE