vol.64 佐藤夏穂(旧姓内田) 23回生|進路|共立女子第二中学校高等学校

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vol.64 佐藤夏穂(旧姓内田) 23回生

vol.64 佐藤夏穂(旧姓内田) 23回生

1.今の自分(自己紹介・職業紹介)

私は現在神戸で着付け教室を主宰しています。成人式や七五三などハレの日だけではなく、日常でも楽しむ発信をしています。洋服と合わせる「和洋折衷コーデ」や、洗濯機で洗える「デニム着物」や「木綿着物」のご提案など、基本の着付けを学びながら、自由にファッションとして楽しむ方法をお伝えしています。

大学卒業後はスウェーデン系一般企業に秘書として就職しました。しかし、育児休暇から復帰後半年で夫が転勤となり、以後長野、札幌、福岡、神戸と引っ越しを重ねています。福岡にいる頃「将来海外で役立つように」と小学生だった子どもたちを様々な日本文化体験教室に連れていきました。日本文化の多くは着物ありきの所作で、未知の世界だった着物を知った方が良いと思い始めました。

神戸へ転居後、苦手意識を克服すべく43歳で初めて着付けを習いました。すると、目からウロコなことがたくさん!「着物で簡単にきれいになれて、着ているだけで褒められてお得!もっと世の中に広めなきゃ!」と感動したことが、今の仕事の原点です。

2.共立女子第二中高時代の感想、思い出、学校の良さや受験生に伝えたいこと。

【マイナスからの逆転!】

実は第1志望の中学校に落ちて入学し、フルートが吹きたくて吹奏楽部に入ったのにトランペットになり、クラスメイトのアイドルの話についていけず、中学生活のスタートは想定外ばかりでした。ところが、最終的にはこの上ない程充実した中高生活となりました。トランペットを夢中で練習し、仲間と心を合わせて曲を完成させる一体感は青春そのものでした。たまに屋上から山に向かって吹いたのはこの環境ならではの贅沢でした。

アイドル話はできなくても、芸術鑑賞会で観たミュージカルをきっかけに舞台に興味がある友人ができました。今でもキエフバレエ団(現ウクライナ国立バレエ)の美しさは忘れられないし、学校の大講堂でウィーン少年合唱団を鑑賞したことは自慢です。

【自主的な行動が認められる校風】

高2では生徒会副会長も担当し、白亜祭(文化祭)での売上金を国際NGO「プラン・インターナショナル」に寄付して、途上国に暮らす子の長期的支援を始めました。この生徒会活動は30年近く経った今でも続いています。また、「校則、変えたくない?」の一言から始まった「校則改善運動」は、全校生徒参加型のムーブメントとなり、全校生徒と学校で対話を繰り返し、校則の一部を変えました。この時に学んだ「無理と決めつけずに計画して、人を巻き込んで一緒に楽しく行動する」という行動パターンのおかげで、転勤先の知らない土地でも活発にPTA活動やボランティア活動に参加し、多くの人と仲良くなれました。

女子校の特権で性別や体格による無意識的な分業をする必要がなく、力仕事も何でも全部自分たちでできる楽しさ、気楽さも良かったです。今もつながりがある仲間たちも自立している人ばかりです。

【先生との距離】

このような新しい活動を始める時に、先生方は上から押さえつけるのではなく、伴走してくださいました。放課後玄関ホールの長イスに腰かけて、先生と生徒が雑談しているのは、日常の光景でした。行事でも協力してくださり、予餞会で「笑点」の真似をして一緒に大喜利をやったことは楽しい思い出です。親でも持て余す反抗期の女子を温かく見守り、時に背中を押してくださる先生方は中高教育のプロだと自分が親になってから気づきました。

どの出来事も当たり前に過ぎていく日常の一部なので、在校中や卒業直後にはその良さに気付きにくいですが、大人になってから長い時間をかけてじわじわと良さがにじみ出てくるユニークな学校です。

3.受験生へのメッセージ

中学、高校はこの前まで小学生だった女の子が18歳の成人女性になるまで多くの時間を過ごす場所です。どんな環境でどんな学友と過ごし、どんな先生と出会うかが大切です。服装や髪型が自由など単純でわかりやすい自由ではなく、やりたいことを応援してくれる土壌がある「自由」な学校がここです。優雅なバラ園や季節を感じる自然の美しさ、ゆったりとした学舎など海外の高校のような雰囲気もオススメですよ。

4.この学校の良さを、ひと言で表現すると…

やりたいことをやりたいだけできる懐の深さ

5.二高卒業後のプロフィール

1995年 共立女子第二高校卒業
1999年 明治学院大学社会学部社会福祉学科卒業
1999年 日本テトラパック株式会社入社
2006年 日本テトラパック株式会社退社 
2006年 専業主婦の傍ら短期間のパート勤務、ボランティア活動に尽力
2019年 音遊kimono school認定講師取得
2020年 着付け教室「きものclub夏彩(なついろ)」開校
着付けレッスン、出張着付けの他、神戸市内の女子高校にて浴衣着付け授業を担当。

ホームページ:神戸市東灘区プライベート着付け教室 きものclub夏彩【公式】 (kimono-natsuiro.com)