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Vol.23 坂本直美 18回生

Vol.23 坂本直美 18回生

1.今の自分の自己紹介・仕事紹介

今、現在、祖父の代から営む家業・呉服店を三代目として継ぎ「株式会社 坂本呉服店代表取締役」として働いています。それまでは、異業種で働いていましたが、私が29歳の時に父が亡くなり、その2年後に母が亡くなり、その時、店を廃業するか、私が続けるかの決断に迫られ、私が継ぐ決断をしました。継いだ当初は、まったく着物の事がわからず、仕事が退屈で、継いだことを後悔もしましたが、古くからいる店の従業員たちやお客様に助けられながら、日々どうにかやっていました。当初、致命的だったのは、呉服屋の店主でありながら着物を着られない・・・、と、いうことで重い腰を上げ、着付けを習い、自分で着物を着るようになりました。そこから、自分の中で着物への意識が変わり、今まで「特別な時だけに着るもの」から「ファッションとして楽しむもの」に関心を向けました。また、「呉服屋さんは怖い」「呉服屋さんは入りにくい」というイメージをどうにか変えたくて、店の雰囲気や取り扱い商品もガラリと変え、ファッションのワードロープとして楽しめる着物を中心としたカジュアルで入りやすいお店に移行して行きました。着物を気軽に感じてもらうために、定期的にイベントやワークショップ(着付け教室、茶道部、アクセサリー作りなど)なども企画し開催しています。

これからももっとたくさんの方に着物のおしゃれを知って頂くために、着物の楽しさを発信していくこと、そしてオリジナルブランド商品を製作していこうと思っています。

また、5年前からこの共立の高校二年生の特別授業「和躾(なごみ)の日」で浴衣の着付けの授業を担当させて頂き、毎年、生徒さんと楽しく着付けの練習しています。このようにまた母校でお手伝いをし、少しでもお役に立てることをとても嬉しく思っています。最初は嫌だった家業も、嫌だから逃げずに、自分らしくやっていくことに発想の転換をし今では楽しくやり甲斐のある毎日を送っています。柔軟な発想ができたのは、中学・高校をこの伸び伸びとした環境で学べたからかもしれません。

  • かつての織物の街八王子を盛り立てるために、
    着物で地元八王子の伝統を楽しむイベント

  • 高校2年生の和躾の日の指導中

2.共立第二中学・高校の感想。学校の良さや受験生に伝えたいこと。その中で中高時代に学んで自分のためになっていること

私は共立女子第二中学校の第一期生として入学しました。八王子でありながら八王子ではないような自然に囲まれ、ピカピカな校舎、机や椅子、これから始まる学校生活にわくわくしたのを覚えています。クラスも2クラスしかなかった為、80人全員の顔を覚えられ、アットホームでのびのびとした中学生活を送っていました。のびのびしすぎて、先生に怒られたこともしばしばありましたけど・・・(笑)先生方も初めて迎える中学生をどのように扱っていいのか、戸惑っていたことと思います。中学から高校に上がり、クラスも8クラスに増え、とても賑やかになり、新しい友達も沢山増え、とにかく毎日楽しくて、笑って過ごした思い出がたくさんあります。特に体育祭での応援合戦や、文化祭での出し物などを、みんなでアイデアを出し合って何をするか企画し、準備、実行していくことがとても好きでした。社会人になった今でも、イベントの企画が大好きなのは、この時の経験が役に立っているからだと思います。先生方のしつけや、校則も当時は煩わしかったけれど、今になってみれば、自由でのびのびとするだけではなく、大人になって社会に出た後も困らぬよう、大切なことであったのだと、今になってわかり、先生方の愛情のある教えに感謝しています。

そして何よりも、この6年間で得た生涯の友達が何物にも代え難い自分の人生の宝だと思っています。共に学び、共に笑い、たくさんの時間を共有した仲間たちとは、卒業して30年近く経った今でも、交友関係が続き、周りからも「みんな、本当に仲がいいね~」と言われます。女子校であるからこそ、友情も深く結ばれていたのだと思います。贅沢なほどの広い敷地の中、たっぷりの自然に囲まれた校舎で、春夏秋冬を自分の五感で感じ、自由に伸び伸びと、先生方の愛情をたっぷり受けながら、学び、そして楽しく学生生活が送ることが出来る、そんな学校であると思います。楽しかった共立の学生生活…もう一度この時代にも戻れたらいいですね・・・。

  • 第二中学校創立30周年を記念して中学1回生の同窓会を学校にて

3.受験生へのメッセージ

今、自分が大人になり、母校に行ってみると、本当に素晴らしい環境の中で学生生活を送らせてもらえていたんだなぁと実感します。先生方はいつも親身になって、自分たちの可能性を引き出してくれます。是非、アットホームな学校で、先生方の愛情を受けながら自由にのびのびと楽しいスクールライフを送って下さい。そして、生涯自分の宝となる友達をたくさん作って下さいね。

4.この学校の良さを一言でいうと

自分の将来の可能性をいっぱい作り出せるところ。

5.二高卒業後のプロフィール

1992年
共立女子短期大学卒業後、某スポーツ店に勤務しながらビーチウエアのメーカーを友人と立ち上げる。
1998年
友人の結婚を機に廃業し、インドネシア奨学金留学生としてインドネシア国立芸術大学(インドネシア・バリ島)に留学。
1999年
帰国
2000年
父の他界を機に株式会社坂本呉服店 入社
2002年
母の他界を機に株式会社坂本呉服店 代表取締役就任

現在に至る。