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理事長 ご挨拶

理事長 ご挨拶

 共立女子学園のこれからの10年~20年、すなわち2034年~2044年を考えるとき、本学園もまた、自己革新を遂げていかない限り、当然ながら危機に直面することが想定され、そのような事態に対応できる、強靭な体質と体力、体制を整えることが喫緊の課題であります。
 我々が当面しているのは、グローバリズムから反動、覇権と分断、「惰性と停滞」の30年を経て、様々な変動と変化にもがく新しい時代です。バラバラにみえる変動、変化は相互に関連し、強めあうことで、急速な社会システムの不安定化、生活様式や文化の変動、変容をもたらします。この「厳しい時代」の中の影響は本学にも大いに関係があります。なぜなら、これからの時代を生きる学生・生徒・園児にとって、不安を乗り越え、自らの未来を切り開いていく生きる力を、問いを作っていく力を身につけることができるかが問われるからです。
 本学が立ち向かわなければならない挑戦は、具体的な場面でこそ現れます。第一に少子化があげられます。18歳人口は、平成当初の205万人から、現在の110万人台になり、2032年には100万人を割るなど、想定外のスピードで減少を始めます。これは関東地域も例外ではありません。今後、縮みゆく経済社会が、公的支援にも変化をもたらすことは必定です。第二に、教育機関に対する社会的使命の変化です。知的基盤社会は産業構造に変化をもたらし、その動きは社会と教育機関の関係にも影響を与え、社会の役割機能の分化や学生募集にインパクトをもたらしています。このような時代において、大学等の教育機関には、それらに応え、目的、内容、方法の体系性と成果の可視化が求められます。なにより、将来への不安を見据えた自信と力を、学生等に与えられるかが問われるでしょう。第三に、学校法人に求められるのは、組織体として学修者本位の教育を目指す戦略的経営です。20年前の国立大学の法人化、法科大学院制度の創設に続く一連の改革はまさにそこが肝でした。私立大学のガバナンス改革も、その点において同期するのであり、改革はなお進行中です。
 共立女子学園は、第三期中期計画の2年目に入りました。これまでの改革のスピードを超えた自己改革の加速化が望まれます。魅力ある学園づくりのためには、教育の環境整備は重要な課題でありますが、教育の中身の改革の着実な進展と相互に関連させて進めなければなりません。そのなかで、安定的な学生確保、安定的な財政基盤づくりは、不可欠な要素です。その為には、差別化した「女性の職業教育」の推進が重要になります。本学は、いち早く全学生にデータサイエンス科目を必修化しました。更に、急速に進展するDX、Chat GPT等の生成AIなど、情報技術の変化への対応、革新があらゆる場で急務となりつつある今、これらの革新に対応した組織編制など早急な検討が必要だと考えております。
 共立女子学園の歴史を振り返るとき、一ツ橋という近代教育の発祥の地で、産声をあげ、女性の「自立と自活」、「職業教育」という当時の最先端の教育モデルの理念のもとに、「共」に相集い、「立」てた学校が原点であり、情熱の所産でもありました。「共立リーダーシップ」に生かされようとしているのは、その情熱であるのかもしれません。それに倣いながら、皆様と共に、一歩でも前に踏み出したいと思います。



2024年4月1日

学校法人共立女子学園 理事長
清水 潔