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vol.16

女子大生のためのマネー講座

賢い女子のお金活用術

数ある「キャッシュレス決済」の中で、大学生にぴったりのものは?

2020.05.13

前回(vol.15「最近よく聞く「キャッシュレス決済」が便利ってホント?」)の記事では、キャッシュレス決済の種類とメリットについて紹介しました。
 
ただ、種類がありすぎて、どの決済サービスを使ったらいいか判断できない人も多いのでは? そこで、大学生におすすめのキャッシュレス決済を、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに聞いてきました。

Q.キャッシュレス決済を利用する時、どんな基準で決済サービスを選ぶといいでしょうか?

A.キャッシュレス決済初心者なら、予算を意識しやすい「即払い」「前払い」がおすすめ。

重要なポイントは「支払うタイミング」。クレジットカードなどの「後払い」のものを利用しながら、手堅い家計管理を実践するのは、かなり難しいこと。買い物をしたのにお金が減っていないので、まだ使えると勘違いしやすいのです。
 
最近は、通販などでも後払いができるサービスが増え、便利になっています。しかし、「後払い」にしてまで今欲しいのか、お金を準備するより先に手に入れる価値があるものなのか、冷静に判断しないといけません。
 
買いたいものがある時は、その費用を貯めながら、本当に買いたいか考える、という手順を踏んでみましょう。“貯めて使う”というフローを崩さないことが、無駄遣いしないコツです。
 
そのフローを保つためには、買い物した時点でお金が支払われる「即払い」または「前払い」の決済サービスを利用した方がいいでしょう。自由に使える予算を、意識しやすくなります。

Q.「前払い」「即払い」に該当する決済サービスで、特に大学生に向いているものは?

A.交通系電子マネー、デビットカード、プリペイドカードが◎。QRコード決済は「即払い」「前払い」できるもので。

「前払い」の代表ともいえるSuicaやPASMOなどの交通系電子マネーは、馴染みもあるでしょうし、使いやすいと思います。改札を通る時や自動販売機で飲み物を買う時など、意識しなくても残高が確認できるところもポイントです。
 
1回にチャージできる金額が2万円までと、上限が決まっていますが、ひと月に使う予算を決めてチャージするのであれば、そこまで不便ではないでしょう。モバイルSuicaや2020年春にサービス開始予定のモバイルPASMOを利用すれば、いつでもどこでもチャージできて、さらに便利ですよ。
 
デビットカードやプリペイドカードも、見逃せません。クレジットカードは入会時に審査があるので、収入が一定ではない学生だと作れない場合があります。しかし、デビットカードやプリペイドカードは審査がないので、学生でも作りやすいのです。
 
デビットカードは、銀行口座さえ持っていれば作れます。プリペイドカードはコンビニでチャージできるものもあるので、銀行口座を持っていなくても作れるんですよ。
 
もし、海外旅行に行く予定があれば、Visa、JCB、Mastercardのいずれかのデビットカードやプリペイドカードを選ぶといいでしょう。これらの3大国際ブランドのカードであれば、世界中で使えるので、わざわざ外貨に両替する必要がありません。一部のカードは国内使用のみとされているものもあるので、事前の確認は忘れずに。
 
QRコード決済は、これまで現金のみの取り扱いだった小規模店舗でも導入しやすいことから、利用できる店舗が増えているので、取り入れてもいいでしょう。銀行口座に紐づける「即払い」、銀行口座からチャージする「前払い」が設定できる決済サービスが好ましいでしょう。
 
キャッシュレス決済全体にいえることですが、決済手段や運営会社によって、使える店舗と使えない店舗があります。普段よく行く店舗ではどの決済サービスが使えるか、事前にチェックすることも忘れずに。

お話を伺ったのはこの方!

ファイナンシャルプランナー

風呂内亜矢さん

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。大手電機メーカー系SIerに勤め、26歳の時に貯金80万円しか持たずに自宅用マンションを購入。物件価格以外にも費用がかかることを知り、お金の勉強と貯金を開始。2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。著書に『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』『超ど素人がはじめる資産運用』など多数。

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