2023年4月 開設

[在学生と作品紹介]建・デで創る

建・デを選んだ理由、建・デの好きなところ、創作活動や学びのこと、
卒業後のビジョンについて…一人ひとりが手がけた作品とともに、
建・デの学生たちのリアルな姿に迫ります。

  • 建築コース 建築分野2年

    齊藤 日菜子さん(東京都私立武蔵野大学高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    共立女子大学の建築・デザイン学科は、建築だけではなくデザインに関する講義も充実しています。「人間や環境を理解して、時代に合った空間とモノ、まちを作る」というコンセプトも魅力的で、ここなら生活者の視点から建築を提案する力を養うことができる、と考えて決めました。
    印象深い授業や活動
    2年次の建築設計演習の課題で、敷地環境を読み解きながら住宅を設計し、構造骨格を理解するために図面を基に軸組模型を制作しました。さらに、内部空間のインテリアとそこに置く家具も設計しました。約3か月もの間、一つの住宅の設計デザインを考えることに驚くと同時に、つくり手と使い手両方の視点から空間を把握する大切さを学べました。この経験を後の設計課題にも活かせています。
    成長を実感するとき
    入学後は、図面や模型に取り組んでいるうちにあっという間に時間が過ぎていき、日常のあらゆる面に関わっている建築という学問の面白さを再認識する日々でした。そんな中、建築設計演習での作品のプレゼンテーションに対し、先生方から「この家に住んでみたい」とのお言葉をいただき、作品に込めた意図や思いが伝わったと感じ、自分の成長を実感しました。
    My Favorite
    建築家の中村好文さんの著書『普段着の住宅術』を読んで、人に寄り添う自然体の建物を設計したいと思うようになりました。

    作品タイトル 趣味を愛する家

    明るく開放的な空間を回遊しながら四季の変化を感じたり、夫婦で趣味を楽しんだりできる家を設計しました。居住者が心地よく暮らす住まいを考えることは楽しく、また大変でもありましたが、納得のいく設計ができました。

  • デザインコース グラフィック分野3年

    星野 美佳さん(東京都立田園調布高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    もともとイラストを描くことが好き。自分の作ったものでアイデアを他者に伝えることに魅力を感じていました。大学もクリエイティブ系に進みたいと思っていましたが、当時はデザインの知識がなく、グラフィックとプロダクトどちらが自分に合うのかも分からなかったので、両方を学べる共立女子大学に進学。分野選択時は、手を動かしやすかったグラフィックに決めました。
    印象深い授業や活動
    3年次のゼミでの、フォントを作るタイポグラフィの授業が印象深いです。はじめはアイデアがまとまらなくてかなり苦戦しましたが、先生との話し合いから平安時代の扇子に発想が広がって、当時は女性が顔を隠す道具として使われていたことから、「ちらり」というコンセプトで扇子とフォントを組み合わせて自分らしい作品を作ることができたと思います。
    成長を実感するとき
    入学した頃はAdobe関連のソフトは使えなかったし、デザインも何をすればいいデザインになるのかまったく分かりませんでした。自分のセンスにも自信がありませんでしたが、だんだんと作ったものが周囲の人たちからほめられ、評価されるようになってきて、作品がコンペに入選し、目に見える実績となったとき、自分が成長したと感じることができました。
    My Favorite
    アートディレクターの佐藤可士和さんや、クリエイティブチームBALCOLONY.の仕事には常に注目し、刺激を受けています。

    作品タイトル だんくち

    「一口お団子を食べるだけで忙しい日々に安らぎを」というコンセプトで、和モダンを意識し、テイクアウトお団子専門店をブランディング。ブランドを作るときはコンセプトをしっかり立てることが大切だと学んだ経験でした。

  • デザインコース1年

    吉野 柚里奈さん(神奈川県私立湘南工科大学附属高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    小さい頃からものづくりが好きで、友だちの誕生日にポップアップカードを作ったり、母に手作りのブレスレットをあげたりしているうちに、自分の作ったもので誰かを笑顔にしたいと思うようになりました。共立女子大学のオープンキャンパスで、展示されていた先輩方の作品の中に母親に向けて作られたものを見たとき、ここでプロダクトデザインを学ぼうと決めました。
    印象深い授業や活動
    各授業にある講評の時間が印象に残っています。大学でデザインを学び始めるまで、ほかの人の作品を見たり、プレゼンテーションを聞いたりする機会はありませんでした。講評で、自分では思いつかないような提案をする友だちや、その人ならではの世界観が表現された作品を見ると、純粋にすごいなと感じることが多く、自分の制作への刺激にもなります。
    成長を実感するとき
    道具の使用方法や素材の特性を理解できるようになっていたり、デザイン用語を会話の中で自然に使ったりしていることに気づいたとき、成長を感じます。たとえば、「この色、暗いかな」を、今では「彩度が低いかな」と言うようになりました。少しの変化ですが、私は入学するまでデザインの知識がなかったので、学んだことが身についているんだなと嬉しくなります。
    My Favorite
    Flying Tiger Copenhagenの雑貨が好き。昔から雑貨のアイデアや工夫点を見つけ出すことに楽しさを感じていました。

    作品タイトル てとりす

    「立体構成演習」の「生き物をモチーフにしたおもちゃ」の課題で制作。手で遊ぶリスのおもちゃ=「てとりす」です。動物の本質を捉えることと、リスである必然性にとても悩み、リスの尻尾だからできる形という答えを出しました。

  • 建築コース インテリア分野3年

    榎本 咲蘭さん(神奈川県立秦野高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    小さい頃からものづくりが好きで、自分でも何か作りたいと考えていました。数学や物理が苦手なので、大学で建築を選ぶことに不安もありましたが、共立女子大学の建築・デザイン学科では「暮らしに寄り添った建築」が学べると知り、ここで勉強したい!と決意。家具メーカーのモデルルームを見て回るのも好きだったので、インテリア分野を選びました。
    印象深い授業や活動
    普段の設計演習では一人で設計をしますが、ゼミではグループで取り組みます。模型やプレゼンボードを作る技術をお互いに共有するなど、切磋琢磨しあいながら進めるところが魅力的です。グループでの制作はまわりの人の設計に対する姿勢を知る機会でもあり、そこから刺激を受けることが自分の制作にもいい影響を及ぼしていると思います。
    成長を実感するとき
    入学当初は、図面やパースの描き方がまったく分かりませんでした。でも、経験を積むうちに、自分の設計で描けるようになったことはもちろん、実際に建物に入ったときに空間を立体的に考えて、図面に起こすことができるようになりました。また、さまざまな構造を学んだことで、建築を自由で創造的なものとして捉えられるようになったと思います。
    My Favorite
    藤森照信さんの、ジブリの世界のような夢のある不思議な建築が好きです。設計で行き詰ったときに眺めて刺激をもらっています。

    作品タイトル 都市型ワインセラー

    青山に敷地を設定し、B1~RFの商業施設を設計。ぶどうの栽培、ワインの製造、ワインバーなど、「作る」から「口に入れる」までを一つの施設で完結する都市型ワイナリーとして提案。スキップフロアで各階がつながる構成です。

  • 建築コース インテリア分野2年

    安藤 陽世さん(静岡県私立西遠女子学園高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    以前からきれいな建物やめずらしい建物が好きで、気になる場所や建物を一人で見に行ったり、家族で訪ねたりしていました。インテリアなどの内部空間にも関心があったので、建築もインテリアも学ぶことができる建築コースを選びました。
    印象深い授業や活動
    演習の授業で、先生と1対1で自分のアイデアについて話す「エスキース」という時間があります。建築や設計にふれるのは大学が初めてだったので、最初は不安でした。でも、分からなくてもとにかく自分の考えを話すようにしていたら、話せば話すほど先生からフィードバックをいただけるようになって、自分の改善点も分かってきたので、とてもいい経験になりました。
    成長を実感するとき
    最初は図面がまったく描けませんでしたが、今では何も見なくてもイメージしたものが描けるようになりました。また、建築模型を作るうちに、建築材料の種類や特徴も自然に覚え、入学するまで知らなかった専門用語や道具のことも、いつの間にか理解できていました。入学してから2年でこんなに成長できるんだ、と自分でもびっくりしています。
    My Favorite
    静岡県にある「ぬくもりの森」にある建物が好き。建築家の佐々木茂良さんが手がけた、おとぎの国のような建物が並んでいます。

    作品タイトル まるでつながる

    マンションは四角いものが多いので、曲線を使って角の多さを解消し、リビングで過ごす家族が遮られないような空間にしました。自分がマンションに住んでいて感じたことや、もっとこうならいいのに、という思いを込めています。

  • 建築コース まちづくり分野2年

    花塚 朱音さん(栃木県立黒磯高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    高校時代、ロボット工学やファッション、建築や舞台美術などやりたいことが多くて進路に悩んでいました。最終的に共立女子大学の建築・デザイン学科に決めたのは、デザインも芸術も設計や図面もすべて学べるからです。図面の技術はロボットや舞台美術の設計に役立つし、芸術的センスを磨けばさまざまなデザインができるようになります。選択肢を増やし、多くの挑戦をするための「軸」としてここを選びました。
    印象深い授業や活動
    2年次のまちづくり演習でホテル企画の課題が出ました。初めての内容に苦労していたところ、先生がホテル見学を提案してくださって、ホテルの方から設計に関する詳しい説明を聞いたことでイメージがふくらみました。まちづくり分野は少人数で、先生が親身に寄り添ってくださいます。グループでの設計も経験でき、達成感のある授業でした。
    成長を実感するとき
    1年次は一つひとつの課題を完成させるだけで精一杯でしたが、今は設計課題を終えるたびに反省し、「どうすればもっとよくなるのか」を考えるようになりました。ほかの学生の作品を見るときも「すごい」と感じるだけではなく、「自分なら同じコンセプトでどんな設計をするだろう」と考える余裕が少しずつ出てきたことが、自分の成長だと思います。
    My Favorite
    日本、海外を問わず歴史を感じる街並みや建築が好きです。美術雑誌や建築雑誌を読んだり、美術館を訪ねたりしています。

    作品タイトル Life with Green Seijo
    –住み継がれる家–

    世田谷区成城の住宅地をグループで設計。家族世帯が大多数という調査結果を基に、「住み継がれる家」をコンセプトに決定。二世帯の住宅と離れを基本に、介護や他の人への受け渡しなど長く住み継いでいけるプランを考えました。

  • 建築コース まちづくり分野2年

    黒坂 乃愛さん(神奈川県立厚木高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    建築関係の仕事をしている父の影響で、昔から建築に興味がありました。ただ、理系科目が苦手なので、建築の学びは無理かなと諦めかけていたところ、共立女子大学の建築・デザイン学科には文系学生が大勢いると知ってここだ!と決意。実際に学んでいくうちに、自分は建物そのものよりも、建物とそれを取り巻く環境に興味があると気づき、まちづくり分野を選びました。
    印象深い授業や活動
    1年次の「課題解決ワークショップ」で、鳥取県南部町にある空き家の利活用を提案しました。私たちが考えたのは、猟師を育てる学校をつくってジビエ料理のレストランを併設すること。猟師不足の解消や、狩猟を学ぶ若者と地元住民の交流を生むことを目指した案で、プレゼンテーション後、地元の方から「こんな建物があるといいかも」というお言葉をいただきました。
    成長を実感するとき
    以前はやりたいことを何でも詰め込んで、結局何をしたいのかわからない作品になっていましたが、今は自分のイメージが明確になり、第三者にも伝わる作品を作れるようになりました。隈研吾さんの思考法を学んだり、講評会で先生方からアドバイスをいただいて、「コンセプトを研ぎ澄ませ、建築で表現すること」が大切だと気づいたからです。
    My Favorite
    川越、鎌倉、下北沢など、歴史や文化を感じながら巡ることができるまちが好き。建物が地域に与える影響にも注目しています。

    作品タイトル Life with Green Seijo
    –緑とパンと私たち–

    世田谷区成城の住宅地をグループで設計。現地を調査して見えてきた閉塞感という課題を解決するため、デザインガイドラインでコンクリート塀の禁止や高さ制限を設け、高い塀などのない、住民と緑が共存する空間を目指しました。

  • 建築コース 建築分野3年

    山本 真里奈さん(群馬県立渋川女子高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    子どもの頃からドールハウス遊びやものづくりが好きだった思いが発展し、「建築で人を幸せにしたい」と考えるように。共立女子大学に決めたのは、オープンキャンパスがきっかけです。先生と学生の距離の近さ、女性ならではの視点も養える点に魅力を感じ、学びたいことが詰まったカリキュラムと、建築士の受験資格が得られることから建築コースを選びました。
    印象深い授業や活動
    3年次から始まるゼミでコンペに参加したことです。3人グループで設計に取り組み、試行錯誤しました。建築は一人でできないのは分かっていましたが、実際に3人で意見を出し合い、まとめながら一つの建物を作りあげていく難しさと楽しさを感じることができました。他大学の作品を見ることもできて、とても刺激になった設計体験だったと思います。
    成長を実感するとき
    1年次に描いた図面と、最近描いた図面とを見比べたとき、目に見える成長を感じます。回数と経験を重ねてきたことで、着実に内容の濃い図面を描けるようになりました。また、もともと人前に出るのが苦手であがり症だったのですが、授業でプレゼンテーションを何度もするうち、今では堂々と自分の設計の魅力を伝えられるようになりました。
    My Favorite
    日常の経験が設計に活きることもあるので、友人や家族との会話などが好きです。これからも幅広く興味を持つことを大切にしたいです。

    作品タイトル 赤羽台~つどいの森~

    赤羽台団地の一角にコミュニティセンターを建てる課題で、「みどりと賑わいが連続する場」をコンセプトに設計。構造や居心地などを考えながら形づくるのは難しかったですが、学年合同の講評会で賞を頂けたのは嬉しかったです。

  • デザインコース グラフィック分野2年

    長嶋 真奈美さん(千葉県私立東京学館高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    もともと絵を描くのが趣味で、人から描いてほしいと頼まれることもあり、こんな絵がいいという要望に応えることに楽しさや喜びを感じていました。そんな中、自分は芸術的な絵を描くよりも、与えられた条件やニーズを反映させながら、自分も好きだと思える作品を作ることが合っているのではと考えるようになり、デザインという選択肢にたどりつきました。
    印象深い授業や活動
    2年次後期のグラフィック演習で、生理用品のギフトボックスを作ったことです。ターゲットが絞られたデリケートな課題でもあり、悩んだ末、生理=お祝いという考えとは異なるテーマに決めました。授業ではほかの学生のミニプレゼンも見られるので、さまざまな視点を学べます。消費者側、制作側など「誰のためのデザインなのか」を考える貴重な機会になりました。
    成長を実感するとき
    以前は自分の作ったものは全部うまくできていると思っていましたが、最近は、デザインをするうえで大事なのはそういうことではないと考えるようになりました。ほかの学生の作品を見ると、自分にはない考え方や手法を発見し、視野が広がります。そうした経験を通して作品の完成度を高めることを意識するようになり、作品への愛情が深まるとき、成長を実感します。
    My Favorite
    デザイナー、アートディレクターとして「装苑」の表紙やドラえもん50周年ポスターなどを手がけている脇田あすかさんが好きです。

    作品タイトル TOM BOX

    「月並みの1週間」がキャッチコピーの生理用品のギフトボックス。生理を特別視せず、当たり前のことと思えるようなデザインで、ナプキンやショーツだけでなく、紅茶やブックレットなども入っています。販売場所は雑貨屋さんを想定。

  • デザインコース プロダクト分野4年

    小林 奈央さん(埼玉県立浦和北高等学校出身)

    建・デを選んだ理由
    建築とデザインのどちらかだけではなく、両方のコースから興味のある講義や演習を受講できることが一番の理由です。その中から、考えたアイデアを構想だけで終わらせずに、実際に使用できるような作品として残すことに魅力を感じたので、家具や雑貨などの生産品の企画制作を学べるデザインコースのプロダクト分野を選択しました。
    印象深い授業や活動
    3年次のゼミの課題「モノの履歴書」で、籐家具をテーマに調査しました。専門の工房を見学し、籐の種類や加工方法などについてインタビュー。さらに工房の方のご好意で、工房に通いラタンチェアを制作することができました。指導してくださった方が職人を目指した理由など、人生に関するお話も聞くことができ、ものづくりを通した人と人のつながりの大切さを実感しました。
    成長を実感するとき
    入学前は、日常の中で目に入ってくるものを見て「いいな」「おしゃれだな」と感じることはあっても、それほど深くは考えていませんでした。でも今は、「これはあのデザインに使えるかも」と思ったり、「このデザインを考えた人は何を伝えたいんだろう」と考えたりするようになり、深くデザインを見つめることができるようになったのかなと感じます。
    My Favorite
    アルヴァ・アアルトという建築家が好きです。自分が設計した建築に合わせて家具のデザインも手がけていたところに感銘を受けました。

    作品タイトル つくりだ巣

    「プライベート空間」というテーマで制作。部屋の中を自由に仕切りながら自分の好きな空間を作り出せる、パーテーションと棚の機能を持った木製家具です。入れたい要素が多かったので、複雑な形にならないよう心がけました。