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vol.8

女子大生のためのマネー講座

賢い女子のお金活用術

“ちょっと華やかな披露宴”には、いくら必要?

2018.02.16

前回vol.7「新社会人1年目でも、貯蓄はマストですか?」)の記事では、新社会人の貯蓄についてお伝えしましたが、今回は、挙式・披露宴にまつわるお金事情がテーマです。

平均的な披露宴をするための予算は? 急に結婚が決まった時の対処法は?など、ファイナンシャルアドバイザーの石川福美さんにわかりやすく、教えてもらいました。

Q.挙式・披露宴をしたいけど、貯蓄は少なめ…。費用の目安を教えてください。

A.挙式・披露宴にかかる費用の平均自己負担額は新郎・新婦合わせて約189.7万円とも。挙式・披露宴の予算は、本人たちの価値観で大きく変わります。

最近は、家族のみで挙式する“少人数挙式”や、挙式・披露宴の代わりにブライダルフォトを撮る“フォト婚”など、数十万円でできる挙式・披露宴スタイルが定着しつつあります。当事者の価値観にもよりますが、低予算でも思い出深い挙式・披露宴をすることが十分に可能です。
 
でも、友人たちににぎやかに祝ってほしいという人もいるでしょう。実際に、ウェディングに関するアンケート調査※をみると、招待ゲストは70名前後で、総額300~350万円の挙式・披露宴を行ったカップルが最も多いとされています。このデータから、ご祝儀や両親の援助などを差し引いた自己負担額の平均が、約189.7万円ともわかっています。
 
※「2016年 みんなのウェディング白書」参照
 
挙式・披露宴はスタイルも予算もさまざまですが、資金が必要なのは間違いありません。結婚を意識しはじめたら、パートナーと相談して身の丈に合った結婚資金を、コツコツと貯めることが大事だと思います。
 
挙式・披露宴を無理なく計画的に行うのがベスト! でも、最低、最悪のケースを想定することはおすすめしません。日本人はリスクを嫌う国民性のため、ワーストケースで行動する場面が多々あります。
 
例えば、挙式・披露宴の予算が300万円の場合、ワーストケースはご祝儀が0円のときです。300万円すべてを自己負担しなければなりませんが、このようなケースは非現実的です。招待客数×平均的なご祝儀額を見越して予算を組めば、無理な貯蓄も回避できて、余剰分があれば新婚旅行の費用や、新居のインテリアの購入費などに充てられるかもしれません。
 
ワーストケースを想定して行動すると、挙式・披露宴や新生活への満足度が低くなる場合もあるので、予算組みはパートナーとしっかり話し合いましょう。

Q.彼が海外へ転勤する前に、挙式をしたい! 予算が足りなので、ブライダルローンを利用してもいいでしょうか?

A.ブライダルローンは利用しないのがベスト。ただし、資産が目減りしない返済計画が立てられれば、NGではありません。

ブライダルローンは組まないことが大前提ですが、希望の挙式スタイルを諦めるのも感情的に難しいものですよね。手持ちの資金と希望する挙式予算に大きな差があってはいけませんが、譲れない部分を補うために利用するならば、NGではないと思います。
 
ただし、ローンを組むとは、“資産から利息分がどんどんマイナスになる”ことをきちんと理解してください。ローンを組む時は、金利のせいで資産が大幅に損失しないよう、工夫する必要があります。
 
例えば、無利息期間を設けたブライダルローンがありますが、限定された期間に必ず返済できるのならば、検討の余地はあると思います。または、ご自身の資産100万円を年利5%の投資商品で運用している場合、運用している100万円を引き出して挙式費用に充てるよりも、利息3%のブライダルローンを利用した方が、損失が少なくてすむかもしれません。
 
いずれにせよ、ブライダルローンは緊急措置です。活用する場合は、金利差を計算し、資産を目減りさせない返済計画を立てましょう。

Q.挙式・披露宴の予算は用意できましたが、貯金が0になりました。大丈夫でしょうか?

A.どんな世帯でも、生活費3〜6カ月分以上の「緊急予備資金」は、用意しなくてはいけません。

結婚において、挙式・披露宴、新婚旅行よりも大事なのは、結婚後の生活です。単身者世帯でも夫婦2人世帯でも、収入が0になった時に対応できる「緊急予備資金」を用意すべきだと言われています。予備資金の目安は、生活費の3~6カ月分、子どものいる世帯は約1年分といわれています。ちなみに、ここで言う生活費とは、交際費や娯楽費などは含まない、ライフラインに関わる水道・光熱費や家賃、食費や交通費、教育費などを指します。
 
結婚後すぐに子どもをもうけたいのなら、緊急予備資金は2人世帯よりも多く必要です。家族計画も考えながら緊急予備資金はしっかりと確保し、手元に残った資金から挙式・披露宴にいくら使えるのか、足りないのであればどう対処するかと、“逆算”して検討するのが賢明だと思います。
 
結婚とは人生の転機です。大切なパートナーに対して年収や貯蓄額など、お金に関する話題は話しづらいかもしれませんが、結婚するからこそすべきだと思います。
 
結婚後、お互いのマネー感覚のズレに気づくと、大きなトラブルになる可能性も…。挙式・披露宴の話をきっかけに、金銭的な価値観や結婚後の家計の管理について、パートナーとすり合わせできれば理想的ですね。

お話を伺ったのはこの方!

トータルファイナンシャルアドバイザー

石川福美さん

高級フレンチレストラン勤務や派遣社員をへて、2014年に(株)クレア・ライフ・パートナーズへ入社。派遣社員時代に体調を崩して経済的に困窮した経験をもとに、お金や将来への漠然とした不安を取り除くためのアドバイスを行っている。「マイナビウーマン」や「All about」、「Oggi」などのメディアでの活躍も多数。https://crea-lp.com/planner

————次回は、結婚後の家計管理についてお伝えします。

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