2022南三陸町FW活動報告書
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家政学部 建築・デザイン学科 2年 山下侑華 テーマ:「まち」が活性化するために求められることは何か このフィールドワークに参加した当初の目的は、地域を活性化させるとはどういうことなのか、そして地域に愛される建築とは何か、建築がまちのためにできることはなんなのかという知識を深めたいということだった。しかし活動する中で、建築はまちの活性化に対する手段の一つに過ぎず、建築だけに囚われる必要はないのではと思い始めた。南三陸町が本当に求めていることは何か、ということを深く学ぶことで、地域行政とまちの在り方、そして最終的には建築がまちに対してできることが分かるのではないかと思い、視野を広げて学ぶことを意識して取り組んだ。加えて、この活動を通してグループワークに対する苦手意識を払拭したいとも考えていた。今までは良い案が浮かばなかったり、意見の擦り合わせが上手にいかなかったりした経験ばかりで、グループワークは自然とそういうものだという固定観念が私の中であった。昨年の経験談に、「全員が前向きに、前のめりに課題と向き合い提案内容を熟考していて、そんな人達に負けないように考える時間がとても楽しかった」という記載があり、私もこのフィールドワークを通してグループワークの楽しさを知り、今後に活かしたいという目的を持って参加した。 まず南三陸町フィールドワーク全体の感想を述べると、人の温かさに触れ、五感を使い直接コミュニケーションすることの大切さについて改めて認識することができた。南三陸町の海、山、里、ひとの素晴らしさを、熱意を持って伝える南三陸町の方々からは、自分のやっていることを誇りに思い、それを周囲に表現することの大切さを学んだ。特に印象に残っていることは、佐藤町長との懇談で、 震災があったから自分達のまちの魅力に気づけた。離れてみたらわかる。というお話を聞き、震災以前から町民共通で持つ魅力があったから、復興に前向きに取り組むことができたとばかり思っていたので驚いた。それと同時に、離れてから気づくのではなく、その立場にいる時に俯瞰的に自分達のまちを捉え、魅力を理解しておくことができれば、地域の活性化は進めやすくなるのではないかと思った。 フィールドワークの中で忘れられない言葉が二つある。一つ目は、南三陸研修センターの浅野さんが仰っていた「脱震災文脈」の情報発信という言葉だ。南三陸町は、震災があったことによって自分達のまちの魅力を見つけ出した。しかし、震災を起点とした町外の人に向けての発信は、南三陸町の本当の魅力を伝えているわけではないのだと気付かされた。外部からの要因でできた魅力ではなく、内から溢れ出すそのま南三陸町フィールドワーク 事後レポート 南三陸町からのレクチャー後、振り返りグループワーク

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