メリンジョ・レシピブック
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レスベラトロール、グネチンCとは︖メリンジョの種⼦にはブドウと同じレスベラトロール類(スチルベノイド)というポリフェノールが豊富に含まれています2)。レスベラトロールは⾚ワインに多く含まれている抗酸化作⽤の⾼い成分として美容や⽣活習慣病への効果が期待されています。グネチンCはこのレスベラトロールの⼆量体であり、グネツム・グネモン(メリンジョ)から⾒つかったことから、グネチンと名付けられています2)。グネチンCは、最近の研究によりヒトに対して⾼い安全性を⽰す3)ことや⽩⾎病・乳がん・⼤腸がん・膵臓がん・前⽴腺がんにおいてがん細胞増殖抑制作⽤4), 5)、活性酸素除去能­つまり抗酸化作⽤を⽰す6)ことが明らかとなってきました。また、ヒトのコレステロール値を低下させ3)、マウスの体重増加や⾎糖値上昇・脂肪の蓄積を抑制する7)ことも報告されており、様々な作⽤を⽰すことが分かってきましたが、そのメカニズムの詳細については未知な部分も多いです。メリンジョエキス粉末の効能についてメリンジョエキス粉末は、⼆量体のスチルベノイド化合物であるグネチンC、グネモノシドA、グネモノシドDとt-レスベラトロールを含み2)、抗酸化作⽤6)、中性脂肪値低下作⽤3)、整腸作⽤2)、免疫賦活作⽤3)、⾎管新⽣抑制5) によるがん抑制効果6)が報告されています。本研究室の細胞培養実験による成果 本研究室ではグネチンCの様々な作⽤に着⽬し、酸化ストレスに起因する糖尿病性⾎管障害と、化学療法に頼りがちな肺がんに対するグネチンCの効果について検討を⾏っています。 本書では、その研究成果に基づいて、有効濃度から吸収率と含量を計算して⽰しています。 糖尿病性⾎管障害抑制効果 ⾼⾎糖状態になると酸化ストレスが亢進し⾎管内⽪細胞が損傷することから、⾎管障害を引き起こすことが知られています。本研究室ではヒトの培養⾎管内⽪細胞を⽤いて、糖尿病状態を再現した糖尿病モデル細胞に様々な濃度のグネチンCを添加することで、グネチンCが糖尿病性⾎管障害を抑えること、またその有効濃度を⾒いだしました。 がん抑制効果 悪性度の異なる肺がん細胞2種を⽤いた細胞培養実験において、グネチンCを様々な濃度で添加し、その効果を検討しました。その結果、グネチンCは濃度依存的に肺がん細胞の増殖を抑制すること、またその有効濃度を⾒いだしました。現在そのメカニズムについて検討中です。参考⽂献 1)JASMELINDO, 季刊メリンジョ, 2011年春号, No.1, p2 2)E. Kato, J Agric Food Chem, 57(6), 2544-9, 2009 3)Y. Nakagami, et al, Nutrients 11(6), 1403, 2019 4)J Luis Espinoza et al, Cancer Lett, 400:127-136,2017 5)N. K Narayanan et al, Cancer Medicine, 4 (11),1767-1780, 2015 6)K. Watanabe et al, Oxid Med Cell Longev, 391075, 2015 7)K. Oniki, Scientific Reports, 10: 4313, 2020 8)K. Kunimasa et al, Mol Nutr Food Res, 55(11), 1730-4, 2011 グネチンC 4

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