130th ANNIV. SPECIAL WEB MAGAZINE Advance! キャリア形成と自立志向を「ジブンゴト化」するウェブマガジン

vol.20

共立の卒業生にインタビュー!

働き女子のホントのキモチ

「マラソンは努力した分だけ、揺るぎない自信に変わります」

2018.03.02

「SBIアラプロモRC」所属マラソンランナー/加圧トレーニングジム DEUX 加圧トレーニングインストラクター

鈴木莉紗(すずき・りさ)さん

家政学部・生活美術学科(現・建築・デザイン学科)・2007年度卒業

「何がしたいか、何が自分に向いているかわからないまま、就職をせずに大学を卒業しました」と当時を振り返る、マラソンランナーの鈴木莉紗さん。25歳からなんとなくはじめたマラソンを職業にしてしまったという、異色すぎる鈴木さんの経歴に迫ります。

趣味探しでたまたま始めたランニングが、人生を変えた

「大学卒業後は就職せず、2008年から委託業務で会社受付の仕事に就きました。残業がない仕事だったので、オフタイムが暇で…(笑)。夢中になれる趣味を見つけようと、手当たり次第に、アウトドア系のスポーツにチャレンジしました。その中で、性に合ったトレッキングを楽しんでいましたが、下山途中で膝を痛めてしまったんです。脚の筋力がつけば、また山に登れるかもしれない…。そんな思いで走り始めたのが、マラソンとの出会いでした」
 
「体育の最低の成績は“2”(笑)」というほど、運動経験がなかったという鈴木さんですが、独学でランニングをはじめます。
 
「おぼろげに、走ることが向いているなとは感じていました。でも、初参加の皇居を一周するレースで6位に入賞した時は、さすがに驚きました(笑)。マラソンは、自分の努力がそのままタイムに反映されます。この経験が、わたしの揺るぎない自信に変わりました」
 
5km、10kmと徐々に大会のレベルをアップし、初めて参加したハーフマラソンの大会で、鈴木さんは、とある練習会の存在を知ります。
 
「箱根駅伝の元監督が指導する練習会があると知り、迷わず参加しました。その後も、練習会に参加しながら独りで走り続け、フルマラソンに出場。2010年に参加した2回目のフルマラソンで、3時間11分で完走できました。そうすると、3時間以内で完走したい気持ちが強くなるんです。でも、これ以上は独りでは目指せないと思い、練習会でお会いした平塚潤コーチに「どうしても3時間を切りたいので、コーチをお願いします」と直談判しました」
 
こうして、平塚コーチと歩む、鈴木さんのランナー人生の幕が開いたのです。

▲大学時代、雑誌の読者モデルをしていたことも。「編集部の方に(モデルに)向いていないと言われ、すぐに諦めました。ハングリー精神がゼロですね(笑)」

雑誌の表紙に起用されたことが転機に

鈴木さんは、平塚コーチの元、2011年の「横浜国際女子マラソン」で3時間を切ることを目標に突き進みます。そんな折、「荒川(現・東京)30K」という荒川河川敷を30km走行する大会に参加。そこで、ランニング専門雑誌『ランナーズ』の副編集長に出会います。
 
「平塚コーチがお知り合いで、「この子、横浜国際女子マラソンで3時間切る予定だから、実現したら使ってあげてよ」と交渉してくれました(笑)。横浜国際女子マラソンで、無事、3時間が切れて、2011年5月号の『ランナーズ』で表紙を飾らせていただきました。この表紙に起用されたことが、わたしのランナー人生の転機になったと思います。その後、市民ランナーだったわたしが、ある企業と契約。ランナーを軸に人生を考えるようになりました」
 
しかし、当時は、ランナーと会社受付の二足のわらじを履いた状態。そんな自分に、疑問を感じていたと話します。
 
「“わたしでなくてもできる”仕事は、自分がやりたいことなのかと悩み、ストレスを感じていました。ランナーで生活はできないので、自分を支える糧は必要ですが、どうせやるなら好きなことがしたい。それで、当時の肉体面と精神面の支えだった、加圧トレーニングのトレーナーへ転向しようと決めました」
 
ランニングのパフォーマンス向上のために通っていた「加圧トレーニングジム DEUX」のトレーナーへ転身。現在、6年目です。
 
「わたしも、加圧トレーニングで筋力も走行タイムも激変しました。2時間56分台だったタイムが、8カ月で「つくばマラソン」で3位になった時の2時間48分まで伸びました。わたしは、タイム向上を目指すシリアスランナーを指導することも多いですが、98%の方がタイムアップしています。わたしも惚れこんでいる加圧トレーニングで、お客様にいい結果が出た時は、本当にうれしいし、やりがいを感じます」

▲現在のベストタイムは、2時間39分57秒。「陸上経験なしで速く走れる人…と、珍しがってもらっています(笑)」

自分の適性は、就職してからでも見つけられる

契約ランナーと加圧トレーナーの2役を勢力的にこなす鈴木さん。直近では、2018年3月11日「名古屋ウィメンズマラソン2018」に出場する予定です。そんな彼女に、今後の夢を聞きました。
 
「現在33歳ですが、選手として記録を狙って走れるのは、あと2年ぐらいかなと思っています。今の目標の一つは、2時間38分を切って、国際陸連のブロンズラベル選手になること。でも、マラソンは誰もが気軽にできる生涯スポーツ。選手、市民ランナーに関わらず、この先もずっと、走り続けるつもりです」
 
最後に、共立女子大学の学生へ、メッセージをもらいました。
 
「わたしは新卒で就職しなかったので、とても苦労しました。今は、就職内定率もいいので、ぜひ、新卒で就職をしてほしい。やりたいことがわからず“もやっと”していても、企業に勤めながら、自分の適性を見極めてやりたいことを追求していく道もあると思います」
 
「それから、学生ならではの環境を楽しんでほしいですね。アルバイトに打ち込むのもいいですが、長いお休みを使って長期の旅行をしたり、ボランティア活動をしたり…。アルバイト代やおこづかいは、浪費ではなく、未来の自分への投資に使ってくださいね!」
 
女性のシリアスランナーのイメージを覆す、艶めく肌の持ち主の鈴木さん。「本気のランナーでも、“真っ黒&しわしわ”じゃないところも、ぜひ見てほしいですね(笑)」と冗談まじりに語ります。
 
陸上競技経験がなく、ここまでのランナーにのぼりつめるまでには、並々ならぬ努力があったと想像します。でも、それを感じさせない朗らかで飾らない人柄が鈴木さんの魅力。どんな人でも夢中になれるものは見つけられる。そんな大きな希望を見せてもらった気がします。

▲お話を伺ったこの日、ハーフマラソン完走を目指す共立女子大生のために、鈴木さんの特別セミナーが実施されました

働き女子のリアルを斬る、一問一答!

働き女子のお仕事以外の顔が見てみたい! そこで、ちょっとミーハーな質問から、秘密のプライベートをのぞいちゃいます♪

Q1.趣味やはまっていることは? A1. 食べること。おいしいものをInstagramで常にチェックします
Q2.今行きたい海外はどこ?  A2.ハワイ。「ホノルルマラソン」に参加したことがあります
Q3.主な休日の過ごし方は? A3.だらだらする…のが理想ですが、練習と体のメンテナンス
Q4.1カ月お休みがもらえたら、何がしたいですか? A4.世界一周ビジネスクラスの旅をしてみたい!
Q5. 好きな映画は何ですか? A5.『グレムリン』『チャーリーとチョコレート工場』『アダムス・ファミリー』
Q6.社会人になって一番変わったことは? A6.体調管理と責任感
Q7.仕事中の隠れ息抜き法は? A7.1時間ぐらい時間が空いたら、散歩
Q8.よく使う、スマホアプリは(複数回答可)? A8.ペース計算ができる「ランナー電卓」とスマートウォッチと連動して、トレーニング結果を転送してくれる「GARMINConnect(ガーミンコネクト)」
Q9.体調管理で気をつけていることは? A9.睡眠を優先すること
Q10.スキンケアやメイクのポイントは? A10.ローションパックで保湿することと、日焼け止めを必ず塗ること
Q11.憧れている(目標にしている)女性はいますか? A11.石田ゆり子さん
Q12.好きなタイプの異性は? A12.ロバートの秋山さん。秋山さんの人間観察力を尊敬しています
Q13.大学の学食でよく食べていたメニューは? A13.からあげの入ったサラダ?
Q14.共立女子大・短期大学の一番の自慢は? A14. 素朴でキレイな、いい子が多い!

※ 記事中の情報は取材当時のものです。現在の状況とは異なる場合がございます。

おすすめ連載

一覧を見る