教育方法の工夫と教員の役割最後に、制作型授業における教育方法の工夫について述べます。1つは、学生にとって本物らしいメディアを使うことかと思います。いまの学生にとってオーセンティックなメディアは何かと考えたときに、雑誌のようなメディア以外の、インターネット上のメデイアも想定すべきかと思います。実習で、どういったものを、本当らしい、オーセンティシティのある課題に設定するかについて考えた場合、デジタルリテラシーの能力リストを意識することは大事で、あと学生が動機づけられる課題も必要です。また、先生方のご専門領域を軸とした課題を設定されることも、学生の興味を喚起する上で大事かと思います。加えて、教育技術を用いるレベルについて整理したモデルに、SAMRモデルというのがありまして、こういったテクノロジーを使った教育というのは、4段階にレベルが分けられるようになっています。一番下のSubstitutionというのは、今まで使った本を、電子書籍に替えただけ、つまり、要は電子メディアを代替的に用いるだけです。Augmentationというのは、例えば、電子ブックだと、いろいろなリンクがあったり、翻訳できるので、電子メディアによって機能が拡張したという程度の変化です。上のModificationとRedefinitionというのは、実際教える内容とか、教え方、あと学生の学び自体が変わるという、かなり大きい変化のことを指しています。なかなか具体例としては難しいんですが、例えば、そういったものを目指していくような授業も当然可能だろうと。例えば、私がやっている授業なんかは、Modificationに当たるかなと思うんですけれども、デジタルツールを使って何かを作るということで、単純にデジタルリテラシーを本とか座学で学んだ理解であって、自分たちが学んだ知識を使いながら形にしていって、お互いそれを振り返る機会を作るというふうな学習になっているということです。このような状況の中で、やはり教員の役割が変わってくるかなと。つまり、きちんと定型化された知識を教壇から伝えるだけではなくて、共に試す、学ぶ、つまり教員自体も新しいものを一緒に学生と伝えながら、学んでいきな(75)文學藝術 第47号(2025)
元のページ ../index.html#82