自由テーマ画像生成AIは文体・位相差をどう捉えるか―― 待遇表現を対象とした実験的観察 ――茗荷 円1.背景と目的生成AIの利活用が推進されつつある今日、その一種である画像生成AIを文学・語学研究にも応用出来ないかと考えた。教育の現場では「創造的な学び」を創生するべく、展開がされている事例もある(注1)。本稿では日本語の持つ言語的特徴に着目し、試験的かつ断片的ではあるが、日本語の文体・位相の特徴や差異を、現時点(2025年5月末)で生成AIがどのように捉え、画像生成にあたってどのようなプロンプトを生成し、最終的にはどう画像に反映させるかを観察する。その上で、将来的に、生成プロンプトおよび生成画像が、ある文体の印象を示唆する「目安」や一材料となり得る可能性について考察してみたい。現在、使用者の意図に沿った文章や画像生成を目的とする入力プロンプト作成に関する研究は多数あるが、管見の限り、生成された画像やプロンプトと文体との関連性についての研究は未着手の状態にある。その背景には、生成AIが革新的な可能性を示しつつも、未だ過渡期にあり、とりわけ研究や教育では「試験的導入」や「方法論の模索」が続いている現状があると考えられる。事実、本検証も試験的で方法論の模索の最中であり、いくつかの前提的な限界や問題点(生成過程における不確実性、翻訳の揺れ、再現性など)がある。本稿はそれらに配慮し、一定の対応を試みたうえで、現時点かつ「限定された条件下」で得られた結果を報告するものであることを記しておく。本報告が、より精緻で整合性の高い検証方法の開発や、人文学研究に生成AIの導入を検討する研究者に対する端緒となれば幸いである。(41)文學藝術 第47号(2025)
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