なお本稿では、「文体」を広義に捉え、「文章と特徴づける言語的性格の総合されたもの」(野村・小池(1992))としたうえで、「類型的なスタイル」と「個性的なスタイル」の両者を指すものとする。「位相(語)」については、「社会的な集団や階層、あるいは表現上の様式や場面それぞれにみられる、言語の特有な様相」(田中(1999))を定義とするが、「役割語」とみなされるものも含むこととする。2.使用ツール、対象サンプル、検証方法2-1.使用ツールOpenAI社が提供するChatGPTおよびDALL-Eを使用する(2025年3月より、DALL-EはChatGPTに統合され、内蔵されている)。モデルはChatGPT4oおよびDALL-E3、プランは「サブスクリプションプラン」を使用し、検証は2025年5月末に行った。数ある生成AIの中から本ツールを選択した主な理由は、DALL-Eが画像を生成するためのプロンプト(ChatGPTが生成)を確認できることであり、この生成プロンプト自体も観察の対象とするためである(注2)。また対話形式であるため、要因を特定しやすいことも理由としてあげられる(注3)。2-2.対象サンプル文体・位相差の中で、本稿では待遇表現の差異に着目する。待遇差の観察に、小説『蜘蛛の糸』(注4)を使用する。今回は、結果を単純化し、生成結果の揺れを最小化するために、冒頭2文に限定する。2-3.検証方法『蜘蛛の糸』の冒頭2文のテクストを「原文」、「原文」をもとに生成されたプロンプトを「原文生成プロンプト」、生成された画像を「原文画像」とする。検証では、読み手および話題の人物(「御釈迦様」)への待遇表現の程度をそれぞれ+(尊敬)、0(中立)、-(軽卑)とし、適宜原文を加工し、それらを組み合わせたテクスト数種をプロンプトに入力する。原文と加工テ(42)自由テーマ・画像生成AIは文体の位相差をどう捉えるか
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