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文芸学部取り組み・プロジェクト紹介

更新日:2016年04月10日

文芸メディア専修

受験生へのメッセージ(大島 十二愛)

子ども文化事業、メディア史、歴史社会学

 

自分の研究について

 近代以降、百貨店や新聞社、ラジオやテレビなどで、さまざまな子ども向け文化事業やプログラムが行われてきました。児童博覧会の開催や子ども新聞の発行、口演童話やお話し会、放送メディアにおける子ども向け番組などです。私の研究の関心は、そうしたさまざまな子ども向け文化事業やプログラムが、メディアの歴史や文化との関わりのなかで、どのように発達し、そこにはどのような人たちが関わり、コミュニティーを形成してきたのかということにあります。子ども時代という誰もが通過する限られた時間の中で、どんな豊かな感性を育むかはきっと、その国の文化とメディアにかかっているのではないかと思います。
 大学時代は新聞学(現・メディア学)を専攻し、ジャーナリズムやマスコミ研究、メディア史について学びました。人と人、人と企業が多様な営みのなかで文化を再生産する過程を想像し、その時代の人たちがどんな思いで何を思って、文化事業や放送に携わってきたのかを考えることは楽しいひとときです。

 

文芸学部で学べること、学んでほしいこと

 文芸学部には、全7コース(日文・英文・造形・劇芸・文教・文メ)のさまざまな学びが用意されています。ここでは主として私の所属する「文芸メディアコース」について少しだけお話ししたいと思います。よく高校生のみなさんから、メディアというのはマスコミのことですかと聞かれます。もちろん、いわゆる「マスコミ」も狭義の意味での「メディア」であることは間違いありません。しかし、それだけではないのです。マーシャル・マクルーハンは、メディアを「人間の身体の拡張」であると述べています。つまり、私たちが身にまとう衣服やファッションもメディアであるというわけです。他にもたとえば美術館や博物館も、人と人、人とモノを媒介するという意味において、メディアであると捉えます。何だかちょっと難しそうだなと思った時こそチャンスです。ぜひ入学して色々な授業の扉をノックしてみてください。

 

担当科目

 メディア文化論B、ジャーナリズム論、メディアと文芸B(出版文化)、メディア応用実習B(図書制作)、文芸メディア演習I、文芸メディア演習II、卒業論文ゼミナール

 

授業/活動紹介

 「メディア文化論B」では、メディア史を中心として、新聞やラジオ、テレビ、映画、CM、メディアイベント等の歴史を扱っています。放送メディアのはじまりは電話だったというような、今とは少し違う草創期のユニークなメディアの在り方を知ることは、今や未来を考えることに繋がると信じています。
 「メディア応用実習B(図書制作)」では、A5判ハードカバーの、世界に一冊だけの本を制作しています。企画、取材、編集、デザイン、校正、製本までの一連の本制作工程を学生一人一人が体験します。誌面はデジタルデータで作成し、仕上げは手製本という味わいあるアナログな方法で完成させます。大学が神田神保町の近くということもあり、学生たちにはモノとしての本にも親しんでほしいという思いから、ご近所にある製本工房美篶堂の上島明子さんにもご協力いただき、製本ワークショップを授業内で実施しています。
 「卒論ゼミナール」では年に一度、茨城大学人文学部高野ゼミのみなさんと合同中間発表会を行っています。いつもと違うメンバーが加わることで、思いもかけない発見や刺激が学生たちにはあるようで、「準備は大変だったけれど、発表して良かった!」という声を聞くと、教員冥利に尽きます。また、ゼミ遠足も不定期ながら実施しています。これまで、合羽橋商店街で食品サンプル作りをしたり、上野鈴本演芸場に落語鑑賞に行くなど、普段一人ではなかなか体験できないことをみんなで楽しみ学ぶことを大切にしています。

 

受験生へのメッセージ

 大学での学びは、誰かに与えられるものではなく自ら学び取るものです。どんなことでもよいですから、心の底から打ち込める何かに出会ってください。その経験はきっとその後の人生を豊かなものにしてくれるに違いありません。
 最後に、大学生活を送る心得として、もしかしたらほんの少しだけ役に立つかもしれない3つの力を紹介しておきます。
① 想像力 あたりまえだと思っていることを少しだけ疑ってみよう。
② 直観力 自分の目で見て、耳で聞いて、足を運んで、そこで感じたことを大切にしよう。
③ 洞察力 なんでだろうという素朴な疑問をそのままにせず、ちょっと掘り下げて考えてみよう。