学長メッセージ(2020年度)

SDGsへの取り組み  2020年度を迎えるにあたって


 戦後、家政学部から新制大学として再出発した本学では、環境問題に関する関心が高く、2011年度から「環境学習への取組」がホームページに公開されています。近年、環境問題は国連によって「持続可能な開発目標SDGs」に包括され取りあげられて国際的に注目されています。そこで、2020年度を迎えるにあたり、本学でもSDGsの取組を教育・研究で行うことを推進することを学長メッセージとして学生や教職員に伝えたいと思います。
 持続可能な開発目標SDGsは、2015年に193の国連加盟国によって、新たな持続可能な開発アジェンダとして正式に採択されました。アジェンダは17の目標と169のターゲットからなり、2016年に始まり、2030年12月31日までに達成される予定です。
 前身の2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)は、発展途上国向けの開発目標でしたが、SDGsは先進国を含めたすべての国の開発目標であり(普遍性)、環境保護だけでなく経済成長、社会的包摂を核とするものです(統合性)。誰一人取り残さない(包摂性)をキーワードに、全てのステークホルダーが役割を担い(参画型)、定期的にフォローアップを行う(透明性)とされています。
 SDGsには法的拘束力はありませんが、述べられている通リすべてのステークホルダーが参画することが期待されます。各国政府が国の施策としておこなうばかりでなく、企業、地方自治体や市民がそれぞれSDGsの推進をおこなうことが求められます。
 SDGsの推進には、次世代・女性のエンパワーメント(自信と力をつけること)が重要とされ、大学の役割が期待されています。大学としてSDGsに貢献できることは、教育において現在および将来においてSDGsを実行する人材の育成をすること、研究において学際的研究をおこなうことで、女子総合大学である本学は、女性のエンパワーメント、つまりSDGsにおいて自分で考え、自分で選択していく力をつけ行動できるよう育成していくことに責任を負っています。
 しかし、SDGsと言われてもピンとこない人が多いかも知れません。そこで、既に大学でおこなっていることで、SDGsと深く関連することを洗い出し、学生や教職員に周知して、SDGsそのものの認知を高めることが第一歩になります。
 さらに、2020年度大学・短期大学「地域連携プロジェクト」の募集要項では、SDGsの目標のいずれかに合致する活動であることを求めました。本学では「環境学習への取組」をおこなってきた下地があり、これは無理なことではないと思います。
 SDGsは、皆さんの身近にあることを知り、すべての学生、教職員がSDGsについての理解を高め、意識して行動することを提案したいと思います。

2020年1月25日
共立女子大学・共立女子短期大学
学長 川久保 清








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