発展途上国の子どもたち  

     ――  2002年4月に出された国連の報告書より  ―― 

 世界には21億人の子どもがいて、その数は世界の総人口の36%に当たります。 毎年、およそ3200
人の子どもが生まれています。 世界では、14人に1人の子どもが絶望的な貧困の中で暮らしています。 そうし
た子どもたちの家庭は、収入が日1ドル未満なのです。 開発途上国だけをみると、3人に1人の子どもが絶望
的な貧困の中で生活しています。 12人に1人は才になる前に死亡します。 そのほとんどが予防可能な原因
で命を失うのです。
 
 2000年に生まれた子ども100人のうち ―― 、
   53人がアジアで生まれました (インドが19人、中国が15人)。
   19人がサハラ以南のアフリカで生まれました。
   9人がラテンアメリカとカリブ海地域で生まれました。
   7人が西ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、日本、オーストラリア、ニュージーランドの先進諸国で生まれました。
 
 社会状況が変化しなければ、この子どもたちを待ち受けているのは次のような現実です。
1)出生登録
    40人の出生が登録されないでしょう。 出生登録されない子どもたちは公式に存在しないことになり、国籍
   も認められません。
2)予防接種
    26人がいかなる病気の予防接種も受けないでしょう。
3)栄養
    30人が生まれてから年の間に栄養失調に見舞われることになるでしょう。
4)水と衛生
    19人がきれいな飲み水を手に入れることができないでしょう。
    40人が十分な衛生設備のない環境で暮らすでしょう。
5)学校
    17人がまったく学校にいかず、そのうちの人が女子でしょう。
    小学校に入学した100人の子どものうち、25人が年生まで勉強を続けられないでしょう。
6)児童労働
    開発途上国の5才から14才の子どもの人にひとりが働くことになるでしょう。
    働く子どもたちの半分はフルタイムで仕事をするでしょう。
7)平均余命
    この子どもたちは平均すると63才まで生きるでしょう。 先進国では78才まで生きるでしょう。
    HIV/エイズの深刻な影響を受けている45カ国では、平均寿命は58才です。

   出展 : 国際労働事務局(ILO)、国連児童基金(UNICEF)、国連人口部

   ストリートチルドレン に関する記述は、こちらから・・・                    

 

 ← 左右写真 →    
   スーダンの難民キャンプで飢えに   
  苦しむ子ども
 スーダンでは内戦が続いている。
 栄養失調でヨロヨロ歩く子供たちの
背後から、ハゲタカがその死を待つ
かのように、狙っている光景がみら
れる。( 右写真 )

 

 

【発展途上国における基本的人間ニーズ( BHN )】

 BHNとは、衣食住や医療・教育など人間としての生活に最低限必要とされる生活基盤のことである。
 世界人口の約6分の1にあたる11億人が安全な水を供給されていない状況にある。

 経口補水塩( ORS ) 

  飢餓などで脱水症状になった時、命を救う水が経口補水塩( ORS ) である。 これは、きれいな水1リットル
 に砂糖小さじ8杯、塩1杯混ぜるだけでできる。 ユニセフなどの募金約15円で10人分が作れる。

 

 

 

【飢餓】

 発展途上国では、栄養不良の状態に陥っている子どもが多い。 5歳になるまでに3人に1人は栄養不良という
データがある。
 その原因は、@貧困や戦争で十分な食べ物が手に入らない、A栄養に対する知識が乏しく、同じものばかり食
べ、栄養が偏っている、B赤ちゃんを育てる母親の栄養が足りない、C畑や家の仕事で家族が忙しく、子どもの
食事をつくる時間がとれず、食事の回数が減る、などがある。
 飢えが原因で死亡する子どもの割合はそれほど高くない。 しかし、栄養不良が子どもたちを病気にかかりやす
くし、病気をなおりにくくし、その結果、多くの子どもが死んでいくのである。
 国連食糧農業機関( FAO )によると、世界で約8億人が栄養失調だという( 1999〜2001年 )。

 

 上左写真は、エチオピアの飢える人々。
 上右写真は、アフリカの食料難民の子どもたちで、食料の配給を待っている。

             

 

 

【高い幼児死亡率】

 発展途上国では、1年間に約1100万人もの子どもが5歳になる前に命を失っている。
 これは、1日に約30,500人、3秒に1人の割合である。 これを、ユニセフ( 国連児童基金/UNICEF ) 
「 静かな緊急事態 」と呼んでいる。 その多くは、わずかな費用で予防し、治すことができる病気によるもので
ある。 こうした事態から子どもの命を守るため、ユニセフでは、予防接種を実施したり、安全な水を確保できる
ように井戸を作ったり、ビタミンを提供するなどの活動を行っている。 

 

 ユニセフ( 国連児童基金/UNICEF ) 

  ユニセフ( 国連児童基金/UNICEF ) は、子どもを対象として活動する国連の機関である。  本部はニュー
 ヨークにあり、世界の160以上の国・地域で活動している。
  主な活動は、子どもの命と健康を守る保健事業を中心に、水・衛生事業や教育事業、栄養事業、緊急援助事
 業、女性の生活改善事業などである。 活動のために必要なお金の70%は各国の政府から集められ、30%
 が民間の募金でまかなわれている。 
  私たちがユニセフに協力するには、募金をしたり、ユニセフの商品を買ったり、ボランティアとして手伝ったり
 するなどの道がある。

 

            戦後の日本も、ユニセフの援助を受けていた!
                           右写真 →
 1949年から15年間、日本もユニセフの援助を受けていた
時期がある。 右の写真は、ユニセフの援助による学校給食
( 1949年 )を映したものである。 
 1949年に送られてきた物資にはスキムミルクや全粉乳が
あり、全国の小学校や保育所の給食や、生活に困っている
家庭の乳幼児への配給に利用された。 また、大量の綿も
届けられ、洋服などの加工にされ、生活保護を受けていた
家庭の子どもたちに配られた。
  ユニセフの援助は1964年まで続き、援助総額は当時の
お金で65億円にのぼった。