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文芸学部の山本聡美教授が、平成27年度(第66回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(評論等部門)を受賞しました。

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2016年3月10日
受賞作「九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史」の成果

 文化庁が主催する芸術選奨は、芸術活動の奨励と振興を目的に、毎年度、各芸術分野において優れた業績をあげた人物に与えられる。平成27年度(第66回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(評論部門)は、山本教授が2014年4月にKADOKAWAより刊行した『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』の成果に対して授与された。
 受賞作で取り上げた九相図(くそうず)とは、女性の死体が腐乱し朽ち果ててゆく様子を九段階に分けて描いたもので、その図像は仏教に源流がある。元来、現世への煩悩を断ち切るために、肉体の不浄な様子を観想(かんそう、イメージトレーニング)するために用いられた画像であった。ただし日本では、無常観や浄土往生思想などと結びついて多様な展開を遂げ、文学とも融合しつつ、中世から近世、そして近現代にまたがって描き継がれた。山本教授は「九相図とは、日本人の死生観を映し出す鏡のような存在」という。
 受賞理由として「脈々と続く九相図(くそうず)の伝統と変容の有様を紹介し、日本人の死生観にまで迫ろうとした努力」及び「学術の成果を分かりやすく一般に伝えた点」が評価された。